書作の三要件(2010年4月号) [2010]
今年の「実り」九月号において四年に一度の誌上展が開催されます。日頃の研鑽の標とし、ぜひともご参加ください。私も過去の誌上展を見返すと、今より若いその頃の自分が何と向き合い何を考えてきたのか明らかになり、気恥ずかしくもまた再び前進していかねばというエネルギーが充填されてきます。書をして自らを表現せしめるという行いは、歴史上の文人墨客でさえ一筋縄ではなしえなかったこと。しかしながら、それに挑戦することは必ずや書をする時間を実り豊かなものとしていきます。
さりとて、作品化するためにはどうしたものかと悩む方も多いことでしょう。そんな方のために大まかに書作の要件をお話したいと思います。
お習字を始めるきっかけは、まず文字を美しく書きたいから、という動機が多いもの。ただ作品化するためには、しかるべき「題材」を見つけなくてはなりません。言葉の響きや意味あいは作品の大切な要素です。美しく、しかも言葉を吟味したら、今度は紙や墨を選びます。この美しさ(字形、配字、書体、字体、崩しぶり)と文字性(言葉や詩、文章の意味内容、音韻等)と用具、材料(何を使って書くか―えんぴつ、ペン、筆、何に書くか―紙の種類、木やプラスチック、金属等、墨はどうするか―自分で墨を磨るか、墨汁か、はたまた塗料もある)の三要件について考えてみるとよいでしょう。
ここまでお話すると、何か大変な作業に思えてくるかもしれませんが、こう考えてみて下さい。文字をどう書くかについて悩んでいたら、その労力を文字の意味内容に少し移してみる。またその題材に行き詰まっていたら、用具、材料のことに考えを振り向けてみる、といった具合に。すると心なしか肩に力の少し抜けた安定感のある作品が出来るものです。
書作を成功させるためには、以上の三要件のバランスをうまくとることが大切です。ひとつ一歩前に踏み出すことが、日々の貴重な時間をより充実したものに変えてくれるということもあるもの。四年に一度のこの好機をぜひご活用ください。
さりとて、作品化するためにはどうしたものかと悩む方も多いことでしょう。そんな方のために大まかに書作の要件をお話したいと思います。
お習字を始めるきっかけは、まず文字を美しく書きたいから、という動機が多いもの。ただ作品化するためには、しかるべき「題材」を見つけなくてはなりません。言葉の響きや意味あいは作品の大切な要素です。美しく、しかも言葉を吟味したら、今度は紙や墨を選びます。この美しさ(字形、配字、書体、字体、崩しぶり)と文字性(言葉や詩、文章の意味内容、音韻等)と用具、材料(何を使って書くか―えんぴつ、ペン、筆、何に書くか―紙の種類、木やプラスチック、金属等、墨はどうするか―自分で墨を磨るか、墨汁か、はたまた塗料もある)の三要件について考えてみるとよいでしょう。
ここまでお話すると、何か大変な作業に思えてくるかもしれませんが、こう考えてみて下さい。文字をどう書くかについて悩んでいたら、その労力を文字の意味内容に少し移してみる。またその題材に行き詰まっていたら、用具、材料のことに考えを振り向けてみる、といった具合に。すると心なしか肩に力の少し抜けた安定感のある作品が出来るものです。
書作を成功させるためには、以上の三要件のバランスをうまくとることが大切です。ひとつ一歩前に踏み出すことが、日々の貴重な時間をより充実したものに変えてくれるということもあるもの。四年に一度のこの好機をぜひご活用ください。
2010-05-25 13:13