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展覧会を終えて(2008年11月号) [2008]

 去る九月三十日(火)、四年に一度の東京書芸展が五日間にわたる会期を終え、無事閉幕しました。副会長の川野嵐峰先生を始め審査委員長の古屋春鳳先生には多大なご尽力を賜りました。また、審査部の先生方には準備段階から、展覧会の成功に向け数々のご支援をいただきました。会期中は、搬入、搬出、受付等の骨の折れる作業に沢山の会員の方々のお力添えを拝しました事、ここに重ねて深く御礼申し上げます。
 会期中には、同じく東京芸術劇場のレストランをお借りし懇親会も開くことが出来ました。出品作品を鑑賞しながら、その作者と対面出来る機会が得られ、展覧会をより思い出深いものとしてくれました。ご参会いただいた会員の方々にまたお会いする
日をたのしみにしております。
 東京芸術劇場の展示ギャラリーは、その立地と静謐で重厚な空間が人気で、名だたる書展が開かれていることで知られています。東京書芸展も今回で三回目の開催となり、すっかり恒例の行事として定着してきました。本会の特徴は会員一人一人が自ら
の構想を温め、作品として練り上げていりという点にあります。どれも個性的で、来場者が口を揃えて言うように、鑑賞していて飽きのこない楽しめる書展になったということはまちがいありません。それでも独善に陥らず東京書芸協会という書の学び場で、多くの人たちがもまれ合いながら、それぞれがもてる玉に磨きをかけているようで、頼もしく感じています。
 私の役割は、これから益々重要になるであろう、「日本の文字を手で書くこと」に関する教育や研究について、より広く深く、その道を追求していくことにあると考えています。今回の展覧会を振り返り、会員のがんばりに負けないよう自らに鞭を打っていかねばと雰起の念を新たにした次第です。
 懇親会の席上、古屋春鳳先生が、東京書芸展はオリンピックの年に開かれる。オリンピックはなかなかやってこないようだが、書芸展はすぐにやってくるとおっしゃっていました。私も同感です。東京書芸展の記憶の新しい今、次に向ってスタートするよい時期でもあるでしょう。