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日々の熱心な稽古に敬意を表して(2012年10月号) [2012]

 今月号は年間賞の発表の月です。今年も確かな足どりで前進した方々のお名前が並びました。その熱心な稽古の姿勢に対し深く敬意を表したいと思います。受賞された方々の取り組みについて伺うと、私も改めて背筋を伸ばさずにはいられません。多忙でありながら、その合間をぬって休まず教室に出席する方、習字だけは絶対にやめないぞと強い気持で書と向き合おうとしている学生の方、大変な育児とかけもちしながら見事にその両立を果たしている方。通信という、ともすれば易きに流れがちな環境の中で、ねばり強く努力し本物の実力を身につけるに至っている方。このような学習姿勢は決して派手ではなく、また目立つものでもありませんが、その人自身の心を豊かにし、自他を明るく照らし続けてやみません。
 宮本武蔵の「五輪書」に「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を練とす。」という言葉があります。世の趨勢は便利に、手軽に、すぐ様に、のようです。その中で、自らの内にある玉を信じ、それを丁寧に磨こうとしている方々がいることにほっとせずにはいられません。受賞された皆さんがよく協力し、回りにもその好影響が伝われば、もっと暮らし易い社会が実現することでしょう。受賞された方々に祝意を表しますと共に、今後、会員の皆さんが力を合わせ、険しくもこの実り豊かな道のりを歩んでいければと念じています。